都道府県別にみた犬と泊まれる宿の施設数と割合
全国のホテル・旅館を中心とした宿泊施設の中で、犬と同宿可能な宿を調べました。
- 調査日時:2025年2月3日
- 調査媒体:楽天トラベル
- 調査方法:都道府県毎に「ペット同宿可の宿」で絞り込み検索
本調査は、あくまで施設件数ベースの調査です。500室のホテルも1棟貸し切りヴィラも同様に1件とカウントされます。
また各施設の部屋数に対し犬同宿可能な部屋が何室あるか調査すれば、より詳細に把握することができるでしょう。
厚生労働省が発表した2021年度末現在の全国の旅館・ホテル件数は50,523件、民泊38,593件、合計89,116件です。楽天トラベルの掲載施設数が41,325件ですので、全国の約50%の施設をカバーしており、本調査の結果と実態との間に誤差はあまり無いと考えられます。
都道府県別にみた犬と泊まれる宿
都道府県別にみた犬と泊まれる宿の件数、及び全体の構成比は次の通りです。
左の数字が犬可能な施設数、右の数字が全体の宿泊施設数、右の%が構成比です。
全掲載施設数の5.6%が犬との同宿可能な宿という事で、犬飼育世帯9.1%と比べると、その施設数は少なく、犬同宿可の施設数不足が伺えます。
北海道 127 2,675 4.7%
青森県 17 295 5.8%
岩手県 41 426 9.6%
宮城県 26 508 5.1%
秋田県 15 284 5.3%
山形県 32 448 7.1%
福島県 56 786 7.1%
茨城県 12 494 2.4%
栃木県 81 869 9.3%
群馬県 72 921 7.8%
埼玉県 9 383 2.3%
千葉県 146 1,245 11.7%
東京都 32 2,876 1.1%
神奈川県 58 1,148 5.1%
新潟県 77 971 7.9%
富山県 10 298 3.4%
石川県 39 619 6.3%
福井県 14 402 3.5%
山梨県 98 1,178 8.3%
長野県 238 2,598 9.2%
岐阜県 85 786 10.8%
静岡県 212 1,988 10.7%
愛知県 23 803 2.9%
三重県 42 669 6.3%
滋賀県 28 360 7.8%
京都府 96 2,706 3.5%
大阪府 24 1,868 1.3%
兵庫県 104 1,180 8.8%
奈良県 9 348 2.6%
和歌山県 33 606 5.4%
鳥取県 18 255 7.1%
島根県 26 336 7.7%
岡山県 29 408 7.1%
広島県 35 653 5.4%
山口県 11 294 3.7%
徳島県 15 276 5.4%
香川県 21 453 4.6%
愛媛県 15 358 4.2%
高知県 11 263 4.2%
福岡県 24 959 2.5%
佐賀県 12 225 5.3%
長崎県 26 562 4.6%
熊本県 42 744 5.6%
大分県 41 807 5.1%
宮崎県 19 307 6.2%
鹿児島県 32 890 3.6%
沖縄県 97 2,797 3.5%
全国 2,330 41,325 5.6%
最も犬同宿可の宿は多い都道府県は長野県の238件。広い庭のある高原のコテージや貸別荘の多くが犬同宿可としているようです。
次に多い静岡県は212件。東京から比較的アクセスの良い伊豆半島や富士山麓に多くの犬同宿可能な施設がみられました。
一方で、犬と泊まれる宿の構成比率が最も高いのは千葉県の11.7%。房総半島や九十九里浜の浜辺近くに人気の愛犬家向け施設があります。千葉に犬と泊まれる宿が多い理由は、箱根や富士五湖、日光、軽井沢等の人気観光施設との差別化戦略との意味合いもありそうです。
関東の犬と泊まれる宿の施設状況
都心にお住まいの方が愛犬を連れて泊まりにいくなら、その対象は関東1都6県に山梨県、さらに長野県と静岡県の一部がエリアに含まれるでしょう。
関東と山梨県で犬と泊まれる宿の施設数は508件、構成比5.6%、仮に長野県と静岡県の半分の施設が関東商圏に入るとすると、それらを足して施設数733件、構成比6.4%です。
ちなみに犬の車酔いを心配する愛犬家は、一般の旅行者と比べ、移動範囲は狭くなるとのデータもあり、車で2時間以内の商圏を想定しています。
関東の愛犬家の特徴として、マンション住まいの世帯が多い事です。庭付き一軒家と違い、犬の活動も制限されるマンション住まいの愛犬家にとって、広々とした自然の中で愛犬と旅をしたいニーズは地方と比べ多いでしょう。
関東の愛犬家施設数733件、構成比6.4%ですが、まだまだニーズに対して供給が追い付いていないと言えるでしょう。実際、房総半島や富士五湖、那須高原等の愛犬家向けの人気施設は、数カ月先まで予約が埋まる盛況ぶりです。
東海の犬と泊まれる宿の施設状況
名古屋市内にお住まいの方が愛犬を連れて泊まりにいくなら、対象は東海4県に長野県と滋賀県の半分が商圏に入るでしょう。
それらを足すと、施設数は495件、構成比は8.6%です。
施設数トップ2の長野県と静岡県が入る東海地方は関東と比べて、犬同宿可能な宿の供給は行き届いているようです。
とはいえ、愛犬と温泉が楽しめる宿や、愛犬と行けるスキーリゾート、愛犬同宿型のオーベルジュ等、地域の観光コンテンツを上手く取り入れることで、まだまだ差別化できて可能性があると考えます。
関西の犬と泊まれる宿の施設状況
京阪神にお住まいの方が愛犬を連れて泊まりにいくなら、対象は近畿2府4県に岡山県、徳島県、香川県の半分が商圏に入るでしょうか。
以上によると、施設数は327件、構成比は4.3%となり、東名阪の中で最も施設が犬飼育世帯と比べて不足しているエリアとなりました。
実際、当社が直営する淡路島のドッググランピング淡路厚浜は巨大な専用ドッグランのある施設として人気化、6カ月先の予約を獲るのが困難な状況になっています。
今後、淡路島と筆頭に、琵琶湖、天橋立、南紀白浜等で、ドッグリゾート施設の開業が期待できます。
福岡の犬と泊まれる宿の施設状況
東名阪に迫る勢いの福岡市場、福岡県内にお住まいの愛犬家が泊まりにいくエリアは、九州及び山口県の70%を商圏と想定しました。
該当エリアの施設数は145件、構成比は4.3%です。
関西同様に犬飼育世帯に対して施設数が少ない現状。温泉や海辺のリゾート等、熊本阿蘇周辺や大分湯布院周辺等、九州の豊富な観光コンテンツを活用したドッグリゾート開発のポテンシャルはありそうです。
都道府県別に犬同宿可能な施設状況の概要調査と、今後のペットツーリズム市場の成長見込みをまとめてみました。
あくまで件数ベースの概要調査につき、実際の開業にあたっては別途詳細な市場調査が必要です。
特に地方では、一般宿泊が不調でやむを得ず愛犬可としている消極的な犬同宿可能施設が多くあります。また一般の宿泊客と施設を共用するため、愛犬家に行動制限を強いるホテルもあります。人気のプライベートドッグランを備えた施設はまだまだ稀少ですし、近隣にレストランがない中、食事提供できない地方の貸別荘がどうやって集客するのか疑問もあります。
私どもマリントピアリゾートグループのドッグリゾートでは、お客様からの問い合わせを受けて、市場調査と出店候補地の選定を経て、弊社直営の運営実績や損益実績を基にした確度の高い事業計画を作成する所から始めます。
調査や計画作りに別途費用はかかりませんので、まずはお問い合わせいただき、ウェブ等による面談から始めさせて頂きます。