都道府県ペットツーリズム有望ランキング 箱根や鎌倉のある神奈川を抑え1位になったのは?
全国9.1%を占める犬飼育世帯、ペットツーリズムの盛り上がりを追い風に、弊社直営施設や支援先のドッグリゾート事業が軒並み好調です。
とはいえ闇雲に出店する訳でなく、市場調査に基づく綿密な計画の上で、当たるべき場所に出店しているのが実態です。どこでも出せば当たるという訳ではありません。
今回は、弊社の出店戦略の一旦をご紹介、ドッグリゾート事業の出店エリアとして有望な都道府県ペットツーリズムトップ20をご紹介します。
エリア評価基準について
ドッグリゾートの出店エリアを評価する3つの観点から、それぞれ5段階で評価、合計点の高い都道府県を20抽出しました。
観点1:観光立地
観光客が訪れる場所として適した立地を評価します。歴史や文化、絶景スポット、気候、温泉、ご当地グルメなどを楽しむ場所としての価値と共に、都市からの距離やエリアの収容能力も評価対象です。
観点2:市場規模
近隣都市圏の人口に占める犬飼育世帯比率、特にドッグリゾートへのニーズがより高いと思われるマンション居住人口、富裕層を中心にアッパーマス層以上の人口が評価対象です。
観点3:競争環境
愛犬家専用施設、ホテルや旅館の中に愛犬家専用の部屋がある施設、一般宿泊客と愛犬家の共用施設の構成によっても競争環境は変わります。また高級施設が多い、カジュアルなペンションが多い等、量的な競争環境と共に質的な競争環境も評価対象です。
それでは20位から1位まで一気に進めて参りましょう。
20位 和歌山県
観光立地3点 市場規模3点 競争環境2点 合計8点
20位は関西のリゾート地、和歌山県です。南紀白浜を中心に海沿いエリアには競合施設が多く競争環境で2点を付けました。和歌山は南国、特に海のイメージが強く、夏以外の集客に課題があるため観光立地を3点としました。
16位に4府県がランクインしています。
16位 山梨県
観光立地5点 市場規模3点 競争環境1点 合計9点
最強コンテンツ富士山を持つ山梨県が同率16位です。富士五湖エリアや八ヶ岳エリアが◎。観光立地、市場規模共に高得点ですが、競合施設が多く、差別化できない施設は埋没しています。高規格で差別化が必要となるため、初期投資が重くなりがちです。
16位 京都府
観光立地3点 市場規模2点 競争環境4点 合計9点
京北エリアや弊社が多数の施設を運営する天橋立エリアが有望です。競合施設が少ないのは、それだけ市場規模が小さい事の裏返しかもしれません。
16位 長野県
観光立地5点 市場規模2点 競争環境2点 合計9点
47都道府県で最も犬と泊まれる宿の多い長野県、広くて安い土地があること、一般の宿泊施設としては集客面で苦戦傾向にあり、犬同宿に活路を見出す施設が多いようです。その中でも軽井沢や蓼科で事業用地が見つかれば◎です。
16位 岐阜県
観光立地3点 市場規模3点 競争環境3点
名古屋市に近いエリアに限れば競合施設も少なく有望です。一方、名古屋から2時間以上の車移動となると犬に車酔いのストレスがかかり、飼い主が嫌う傾向にあるので、下呂温泉くらいまでが適地です。
9位には同率で7道県が入りました。
9位 茨城県
観光立地2点 市場規模4点 競争環境4点 合計10点
観光地のイメージがあまり湧かない茨城県ですが、都心からアクセスの良さ、競合施設の少なさで、弊社の直営施設含めて成功事例があります。ペットツーリズムには非日常な自然空間で愛犬とゆっくり過ごすニーズがあり、茨城県とペットは相性が良いです
9位 滋賀県
観光立地3点 市場規模4点 競争環境3点 合計10点
湖東、湖西いずれのエリアも有望です。滋賀は関西だけでなく、名古屋からのアクセスも良いため、2つの市場にアプローチできる利点があります。弊社の湖西の施設も予約の35%は名古屋圏のお客様です。
9位 北海道
観光立地5点、市場規模2点 競争環境3点 合計10点
観光コンテンツが豊富な北海道ですが、移動距離の長さが難点です。現実的には札幌、旭川の近郊、ないしは両市の中間地点当りが適地となるでしょう。
9位 群馬県
観光立地4点 市場規模3点 競争環境3点 合計10点
移動距離の長さを嫌うペットツーリズムですので、主なターゲットは埼玉以北の北関東を中心とした層がターゲットになりそうです。但し、草津温泉や水上温泉などで、稀少な温泉付き施設を開発できれば、広域商圏からの集客も期待大です。
9位 栃木県
観光立地5点 市場規模3点 競争環境2点 合計10点
基本的には群馬県と同じ考え方が当てはまりますが、那須高原や日光等、ペットツーリズムとの相性の良さでは栃木県に軍配があがりそうです。ただし栃木県の場合は、競合施設が多く、高規格による差別化が必要です。
9位 三重県
観光立地4点 市場規模3点 競争環境3点 合計10点
海や山、温泉の観光コンテンツが豊富で、名古屋からのアクセスの良い三重県は東海地方の有望エリアの1つです。伊勢志摩、湯の山温泉など、有望エリアは複数ありますが、名古屋は東京や大阪と比べてマンション比率が低く、過度な期待は禁物です。
9位 愛知県
観光立地2点 市場規模4点 競争環境4点 合計10点
知多半島や名古屋周辺には宿泊業に適した土地が少なく、事業用地に巡り合った時点で競争優位です。ただし開業の可能性含めて過度な期待はしない方が賢明です。
5位には同率で4府県がランクインです。
5位 埼玉県
観光立地2点 市場規模4点 競争環境5点 合計11点
宿泊業に適した土地が少なく開業の難易度が高い埼玉県ですが、東京北部や西部からのアクセスが良い長瀞や秩父で開発できれば、その稀少性で安定した集客が確保できるでしょう。
5位 福岡県
観光立地4点 市場規模3点 競争環境4点 合計11点
今や関西や東海と並ぶ大商圏となりつつある福岡県は、県内全エリアで成功する可能性が高いでしょう。一方、大分や熊本には良好な温泉コンテンツを提供できる施設があり、差別化する上では、カジュアルに、よりレジャー志向の施設作りを目指すべきです。
5位 大阪府
観光立地3点 市場規模4点 競争環境4点 合計11点
中心部から1時間以内の都市型リゾートは、利用の手軽さから安定した集客が期待できます。大阪府なら北摂エリアや兵庫県ですが猪名川町で候補地を見つけることが出来れば◎です。
5位 静岡県
観光立地5点 市場規模4点 競争環境2点 合計11点
伊豆半島、熱海、伊東など、東京や神奈川に近い県東部が有望です。ただ山梨県同様に競合施設が多数あり、それぞれ独自戦略で運営しているため、高規格路線で差別化することが必要になるでしょう。県西部は三重県や滋賀県との競争となり苦戦が予想されます。
いよいよトップ3の発表を一気に行います。3位は同率2県が入りました。
3位 千葉県
観光立地4点 市場規模5点 競争環境3点 合計12点
都心からのアクセス良好な千葉県が3位に入りました。より都心に近い内房が有望、外房の鴨川や九十九里は海のイメージが強く夏に集客が偏るため、オフシーズンの集客対策が必要です。犬と泊まれる人気宿、高規格な高級宿が多くある千葉県は、差別化したいです。
3位 兵庫県
観光立地4点 市場規模4点 競争環境4点 合計12点
関西屈指のリゾート地、淡路島のある兵庫県が3位です。淡路島には意外と競合施設が少なく、今なら参入のチャンスです。人気の西海岸は地価の高騰が著しいですが、弊社のような広いドッグランを持つ業態なら海から離れた中央部でも充分に勝機があります。
2位 神奈川県
観光立地5点 市場規模4点 競争環境4点 合計13点
巨大商圏を持ち、観光コンテンツ豊富な神奈川県が2位に入りました。箱根、湯河原、湘南、三浦半島等、県内全エリアで成功する確率が高いです。地価が高く、法令上の規制がかかるエリアが多いことは制約条件ですが開業可能な用地が見つかればGOではないでしょうか。
1位 東京都
観光立地4点 市場規模5点 競争環境5点 合計14点
実際には開業可能な用地を見つけることは困難を極めますが、東京西部で都市型のドッグリゾートが開発できれば、その稀少性や話題性から人気施設になること間違いないです。弊社もエリアの情報は注視していますが、なかなかお宝物件に出会えないのが実態です。
いかがでしたでしょう?
ドッグリゾート有望ランキング、トップ20を発表しました。
都道府県で括って大雑把に評価しているため、あくまで参考程度にお楽しみ頂ければと思います。同一県でも、そのエリアや立地により事業適性は全く変わってきますので、計画を立てる上では、更に詳細に調査検討することとなります。